ヤンマー本社ビルでSUITEKI展を開催
日独文化交流を目的として活動している山岡記念財団が助成する、ドイツ政府文化機関ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川が芸術的な視点から取り組んだプロジェクト作品の展示をご紹介します。
ドイツのデザイナー、カイ・リンケ氏と、日本の伝統漆工芸の老舗「佐藤喜代松商店」が共同で作ったオブジェ「Suiteki(水滴)」と「Nut Family(くるみ割り人形)」が、7月1日から8月31日まで、ヤンマー本社ビル(FlyingY-Building)1階で展示されています。

展示初日の7月1日には記念セレモニーが開催され、カイ・リンケ氏や佐藤氏をはじめ、ザクシンガー総領事(大阪・神戸ドイツ連邦共和国総領館)やヴェッツェル館長(ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川)などが参加しました。

これらのオブジェは、大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」のために立ち上げたプロジェクトの作品で、7月4日にはドイツ館のステージでインタビュー形式によるプロジェクト紹介が行われ、ヤンマー本社ビルでの展示についても紹介されました。

作品について
1.「Suiteki(水滴)」
水滴は世界中で生命と潤いを表すシンボル。
日本とドイツで猛暑が続いたことをきっかけに、水滴の重要性に注目し、水資源との向き合い方についてのメッセージを込めて制作された作品です。
FYB1階にある癒しの空間で流れる滝との融合もぜひお楽しみください。
2.「Nut Family(くるみ割り人形)」
ドイツでは大人から子供まで親しまれている「くるみ割り人形」に漆を施した作品です。3つくるみ割り人形は、家族(父・母・子供)を表現しています。この作品は、日本とドイツの深いつながりを象徴し、両国の匠の技を融合させたものです。
これらの作品は、1000年以上の歴史を持つ日本の漆工芸と、現代デザインの融合を体現しています。漆という素材が持つ特有の質感と時間性、漆職人の精密な技と忍耐力、そして漆作品の汎用性に着目し制作されています。
伝統と革新、そして持続可能な未来への願いが込められた作品を、ぜひ直接ご覧ください。