アーカイブ - 若者文化シンポジウム

第4回若者文化シンポジウム「越境するカルチャー」を開催しました

2月19日、山岡記念財団主催「第4回若者文化シンポジウム 越境するカルチャー ~日本とドイツ~」が京都大学 文学部校舎で開催されました。シンポジウムの第1部、第2部それぞれの進行を務められた財団の諮問委員でもある吉田教授・田野教授、そして発表者・パネリスト・次年度研究助成採択者も含め、総勢55名の聴衆者の方が参加しました。

同シンポジウムは、近年、急速に進むグローバル化・情報化により、現代の日独の若者文化とライフスタイルがどのように変化しているのか、また両国の若者文化交流に関して今後いかなる展開が期待されるのかについて、弊財団の助成により研究している若手研究者の研究報告の場として開催されており、このような形で実施されるのは2回目となります。

今回は、2019年度の「日独の若者文化・ライフスタイル」の研究助成を受けた若手研究者が、それぞれのテーマについて調査・研究した内容を発表し、日本の文化がどのように受け入れられているのかについて討論しました。

<発表した若手研究者のみなさん>

写真上段:左から ティモ・テーレン氏、林祐一郎氏、高橋かおり氏
写真下段:左から ステファン・ブリュックナー氏、富永京子氏

シンポジウム後半には総合討論が行われ、聴衆者の皆さんから寄せられた質問を中心に、研究者とコメンテーターとの間で活発な議論が展開され、大変有意義なシンポジウムとなりました。

シンポジウムの最後に、2020年度 研究助成採択通知書の授与式を行い、当日来場された3名の採択者の方々に、雪野常務理事から通知書が手渡され、「来年のシンポジウムで発表される皆さまの研究成果に期待しています。」と、激励の言葉が送られました。

またシンポジウム終了後には、京都大学キャンパス内のカフェレストラン カンフォーラにて交流会が開催され、40名の方が参加されました。シンポジウムとは異なり、和やかな雰囲気となった交流会では、あちらこちらで発表者と熱心に言葉を交わすお客さまの姿や、発表者と次年度採択者の間で意見交換する姿などが見受けられ、終了時間を過ぎても話しが尽きない様子でした。

研究発表のパワーポイント資料は、3月中旬頃に弊財団ホームページでの公開を予定しています。
ご興味のある方はご覧ください。(公開日程は、準備が整い次第となりますので、若干前後いたします。)

<2019年度 研究発表の詳細>

Timo Thelen 氏(金沢大学国際学類講師)
「漫画とアニメの影響を受けた日本の若者ドイツ体験」

林 祐一郎 氏(京都大学大学院西洋史専修修士課程)
「現代日本のマンガにおける中近世ドイツ表象」

髙橋 かおり 氏(立教大学社会情報教育研究センター助教)
「ベルリン在住日本人アーティストの活動 ―定住と移動のはざまで」

Stefan Brückner 氏(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科博士課程)
「異文化間における日本ゲームの受容:日・独プレイヤーの体験比較」

富永 京子 氏(立命館大学産業社会学部准教授)
「日独の若者におけるライフスタイルを通じた政治と社会運動」

<2020年度 研究助成採択者の詳細>

Tamara Fuchs 氏
(フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルク、日本学講座(日本近現代)、研究助手)
「青少年言語とインターネット:日本とドイツのソーシャルメディア(ツイッター)における新右翼的傾向」

Theresa Christina Sieland 氏
(ハインリッヒハイネ大学デュッセルドルフ、近代日本研究所、博士課程学生)
「日本の若者が持つ農村地域の認識にボランティア活動が与える影響について」

井上 明人 氏(立命館大学 映像学部 専任講師)
「ゲーム言説を通じた日独間の若者文化の比較」

櫃割 仁平 氏(京都大学大学院 教育学研究科・博士前期課程1年)
「審美性に関わる日独若者の文化間比較:俳句の曖昧性の観点から」